税理士の探し方おすすめ_山梨県の場合

税理士との相性はすごく重要だと思います。ではその相性をどうやって見極めるのか、という話

いい税理士」ってなんだろう?
正直なところ、お客様のご要望内容によって、この評価は変わると思っています。
求めている方向性が近ければ「いい税理士」、ずれていれば「イマイチな税理士」、となるとそのズレの少ない税理士をどう見つけるのか、が重要になります。
ただ、税理士への依頼が初めての方の場合「そもそも自分は税理士に何を求めるのか?」の整理も必要かもしれません。

山梨県で、税理士探しの際に参考にしていただきたいことをまとめてみました。

どんなご要望がありますか?
こんなこと解決したい、こんなパートナーがいたら、というイメージはありますか?
・ある分野の専門性を重視したい
・自分の業種に関して経験のある税理士がいい
・地元の事情に明るく、ネットワークのある税理士がいい
・世代が近くて話しやすい税理士がいい
・老舗(大手)で実績のある事務所がいい
・気になったことは都度相談してストレスを減らしたい
・あまり頻繁に干渉しないでほしい
・価格重視で決めたい
・自分と考え方の近い税理士がいい
・使ってみたい会計ソフトがある

これに限らず、ご自分の中で選定の際に重視している項目を、優先順位をつけて挙げていただくと、方向性がわかりやすくなります。我々税理士側としても、ご要望に合う・合わない(または調整できる)旨をご回答しやすくなるので、お問い合わせの際にもご遠慮なくお伝えいただきたいです。また上記の中にも、組み合わせとして両立が難しい条件もあります。そのような点についても、お話の中で整理していくことができるかと思います。
こういった要望がまだ明確ではなく、ご自分の中で整理できない場合には、下記のような方法で税理士と接点を見つけて、まずは何人かと会って話してみることをお勧めします。

どこで探す?
税理士探し、下記のようなルートがあります。それぞれの特性や注意点のお話です。

① WEBで検索
検索エンジンでの検索、最近だとAIを利用して検索する場合もあるかもしれません。
各税理士の考え方や得意分野、ひととなりを知るためには各事務所サイトが一番情報が多いので、「専門性重視」「世代や考え方の近い税理士」を探すには適切な方法です。
なお、「山梨県・税理士」だと、非常に多くの検索結果が出てきてしまうので、3つ目以降のキーワードにご自分の重視する文言を入れて探していただくのがおすすめです。
また、特に分野や業種への特化を重視する場合、地域を限定せずに探していただくことでご希望に近い税理士を探すことができる可能性が高くなります。

② 税理士紹介サービスを利用
WEBで税理士を検索すると、各税理士のサイトより先に、税理士紹介サービス(税理士ドットコム、ビスカス、ミツモア等)が結果に出てくるので、このようなサービスを利用される方も多いのではないでしょうか?
これらの会社は、税理士の紹介希望があると、顧客の希望する条件を自社に登録している税理士に流して、このうち応募してきた税理士を顧客に紹介します。この場合、顧客の側としては一度の紹介希望で複数の税理士を比較検討することができる点が利点です。

一方、税理士側としては示された条件を前提として対応の可能性を判断するため、条件の組み合わせ方によってはそもそも応募する税理士が少なく、選択肢が狭まる場合があります。また成約した場合に紹介会社から税理士に対して請求する紹介手数料がかなり高額(年間報酬の70%程度)であるため、紹介会社経由での受任には慎重になる税理士も多いです。このような事情があるため、紹介サービスは気軽で便利ではあるものの、他の方法で探した税理士に直接交渉していただいた方が、条件の調整など柔軟に対応できる可能性が高いことを申し添えておきます。

③ 会計ソフト会社の紹介サービスを利用
自分が使いたい会計ソフトが決まっている場合、それぞれの会計ソフト会社のサイトにある税理士検索ページから探すのが近道です。会計ソフトは、各社とも複式簿記の考え方に基づき設定されているため、どの税理士も「この会計ソフトでないと対応できない」ということはありません。とはいえ、各事務所の経営効率上、ある程度使用ソフトを絞っている税理士が多く、ご希望のソフトがある場合には、そのソフトをメインで採用している税理士に依頼する方がお互いにとって効率的です。
逆に、会計ソフトの希望が特にない場合には、まず依頼する税理士を決め、ソフト選定は任せていただいた方が、導入から支援を受けることができスムーズです。

④ 税理士会に問い合わせ
地域の税理士会(山梨県の場合、東京地方税理士会甲府支部または大月支部)に電話していただくと、所属する税理士の中から近郊で開業している税理士を紹介するサービスがあります。この場合、どちらかというと登録から日の浅い税理士を紹介する場合が多いので、(会からの紹介を希望した税理士から選定されます)地元で若手の税理士を希望する場合にはこの手がありだと思います。一方、老舗・ベテランの事務所は紹介希望を出していない場合が多いので、そのような事務所をお探しの場合には他のルートの方がいいかもしれません。また、どういった条件で税理士を探すべきか迷っている段階であれば、税理士会が主催・共催する無料相談会などに足を運んでいただいて、実際に何人かの税理士と話してみるのも参考になるかもしれません。

⑤ 商工会、商工会議所で相談
地域の商工会、商工会議所の窓口でも税理士の紹介を行っています。商工会等は地域密着で活動するため、窓口では商工会員である税理士を紹介される場合が多いです。
このルートは、地元のネットワークのある税理士を見つけることができる点や、商工会等の窓口で自分の事業の状況を伝えながら要望を整理できる点が利点です。また、各商工会等では独自の会計支援サービスも行っているため、日常的には商工会の支援を受けながら自力で帳簿を作成し、突発的な必要性があるときだけ税理士の派遣を依頼する、というような利用の仕方もあります。ただし地元すぎる付き合いを避けたい場合や、選択肢を広くもちたい場合には、他の方法の方が適切です。

⑥ 知り合いの経営者に相談
税理士のサイトやプロフィールを見て期待しても、実際に自分が契約した場合、宣伝どおりの仕事をしてくれるのか、不安だ。そんな場合には、知り合いの経営者におすすめの税理士を聞いて、紹介してもらうのもありです。知り合いからの紹介であれば実際の仕事ぶりも聞けますし、初対面の敷居も低くなります。一方で、誠実な方ほど、会ってみてちょっと違うなと感じた場合も、紹介者の手前断りにくい、という不都合を感じるようです。
これに関して税理士側の正直な気持ちとして言えば、実際に会ってみて感覚が合わない場合には、遠慮なく断りを入れていただいて大丈夫です。紹介者の方とご自身の経営方針や性格は異なって当然ですし、契約を開始すれば、紹介者ではなく税理士との付き合いが長く続くので、ここで妥協しての契約はまったくする必要がありません。

上記の他、経営者同士の交流会や、金融機関の紹介などの方法もあります。

何を基準にして選ぶ?
ご自身の要望に照らした場合に、明確な決め手があればよいですが、そこまで強いこだわりがなく、なかなか決め手が見つからない場合もあると思います。

私としては、下記のような点も検討に加えていただければと思います。

・相談対応の頻度や担当者
どんなに小規模な事業であっても、年1回のお打ち合わせだけの対応だと、現実的に各種の対応が手遅れになり、結果的に税理士に依頼するメリットを感じられない場合が多いです。ご自身の事業に関心を示し、リスクに対して事前に対策を講じようとする税理士を選定されることをお勧めします。また特に大規模事務所の場合、代表税理士は初回面談のみ対応し、その後職員が担当を引き継ぐことも多いため、契約後の対応予定や担当者について事前に確認されることをお勧めします。

・連絡手段、資料の受渡し方法
事業内容や、ご自身の生活スタイルによって、連絡手段の利便性は異なります。
電話、メール、チャット、また資料についても電子データでの受渡し、郵送、FAXなど、ご自身にとって楽な方法で連絡の取れる税理士を選んでいただくのがよいです。
連絡が億劫だと、情報共有が遅れ、それが重なるうちにコミュニケーションが取れなくなり、やがて信頼関係に影響が出る、というパターンを見ることも多いです。
これはどの方法が正解ということではなく、単純に合う・合わないの問題なので、ご自身にとって負担の少ない相手を選ばれるのがよいと考えています。

・メインターゲットとしている顧客規模
年商5,000万の事業と、年商50億の事業では、税理士のサービス内容も異なります。
その事務所が想定している顧客規模と、ご自身の規模が合っている場合には適切なサービスを受けられますし、この想定がずれている場合、双方に想定違いが生まれやすくなります。事業の成長に合わせて依頼先の税理士を変更していくことも可能なので、現状のご自身の規模や段階に合った税理士選びをしていただくことが大切です。

・話し方、考え方、雰囲気
最後の決め手としては、感覚的にはなりますが、話していただいて違和感の少ない税理士を選ぶことかと思います。税理士との契約は、一般的に数年は継続し、(数十年継続するパターンも、よく見ます)事業が上り調子の時も課題が多い時も、様々な状況をご一緒に乗り越えていく関係です。あまり取り繕わず、相談できる相手であることは重要です。初対面ですぐには打ち解けることが難しい場合もありますが、話している中で過度に圧を感じたり、視点がずれていると感じる場合には、他の税理士を検討されることをお勧めします。

聞かれていませんが、うちの場合

・何が得意かというと
はざま税理士事務所は、町の小さな税理士事務所でありたいと考えています。
そのため、特定の分野や業種に特化はしていません。地域の方の生活や産業を支える様々な事業を営む皆様を、その裏方として支えたいと考えています。

一方、事業規模に関しては小規模~中規模(年商1,000万円~1億円程度)のお客様をメインターゲットと考えています。経営者の方の個性が最も発揮される規模であり、かつ税理士として貢献できる余地の大きい規模であるためです。税理士事務所によっては、規模の大きな顧客を優遇し、小規模な顧客へのサポートが手薄な場合もありますが、弊事務所としては、小規模な事業の段階から健全な経営体質を整えていくことが重要と考えています。

得意分野は、資金の流れに着目した継続的な事業支援です。節税についても適法な範囲でご提案しますが、何よりも潤沢な資金残高のある安定した経営を重視します。

・その他の傾向として
今までの経歴や現在の状況などを踏まえると
・地元出身ではありません、その分しがらみも少ないです。
・とはいえ開業して2年、業務に必要なネットワークは構築できています。
・老舗でも大手でもありません、その分合理的に行動できます。
・私は40代ですが、お客様は20代~70代まで。(意外と同世代は少ないです)
・連絡手段はチャット、メールが主です。(電話は少なめ)
・会計ソフトはマネーフォワードが主です。(クラウド会計)
・資料の授受はクラウド上で行います。(郵送やFAXは使用しません)
・ご面談頻度は、3ヶ月に1回程度が目安です。
・ご提案は安全性、守備重視の傾向が強いと思います。(要するに心配性です)
・だから、こまめに連絡をとる方です(豪放な方には、細かすぎると感じる場合も)


どの税理士がベストとは言えませんが、決算ギリギリに決めるのはお勧めしません。
それから、ニセ税理士行為にはご注意を。

「税理士選びのおすすめ、それは私!」なんて言って〆てみたいところですが、さすがにそれは暴論なので自粛。「いい税理士」であるかどうかは、その方の求める条件によって異なります。ただ、話していくうち、会っていくうちに条件は絞り込まれていくはずなので、事業を始めよう、税理士を探そう、と思ったら、まずはいくつかの方法でアプローチしてみていただければと思います。

一番重要なのは、ともかくギリギリになってから探さないこと。特に個人事業主の確定申告は全国的に時期が集中しているため、年明けにはほとんどの税理士が受付を締め切ってしまいます。年内に依頼先を決めておかないと、選択の余地がなくなり、また相場よりも割高な価格設定で依頼せざるを得ません。特に決算日後にご依頼を受けた場合、税制上有利な特例を選択できない場合も多く、とてももったいないです。

なお、税理士に依頼したつもりだったのに、その相手が実は税理士ではなかった、という事案があります。「ニセ税理士」として国税庁からも繰り返し注意喚起がされていますが、毎年確定申告時期になると必ず数件はニュースに出ます。契約しようとしている相手が本当の税理士なのか、一番簡単に判定できるのは日本税理士会連合会の検索サイトです。また、すべての税理士は税理士会に所属して活動しているため、事務所拠点のある税理士会にお問い合わせいただくことでも確認できます。ご契約前に、この点については必ずご確認いただければと思います。

おわりに
つらつらと書いてきましたが、この内容が、今後の信頼関係を築けるよい出会いにつながれば幸いです。なお、はざま税理士事務所にご興味をお持ちいただいた場合は、お気軽にお問い合わせフォームからご連絡ください。

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